近代文化史入門 超英文学講義

とにかく面白い!正月の楽しみにと思って買った本ですが、一気に読み終えてしまいました。

近代文化史入門 超英文学講義 (講談社学術文庫)

著者の30年の研究と考察を僅か1,050円で手に入るのはありがたすぎる!どんな本なのか書評などするのもおこがましく、且つ要約してはあまりにももったいない作品です。このタイトルのつけ方は「超」をモット強調し「超々々」英文学講義ぐらいにしたほうが内容を捉えているかと思います。(ちなみにamazonレビューを含め、あちこちに取り上げれてますので各自検索してください)

著者は高山宏 – Wikipedia

高山 宏(たかやま ひろし、1947年10月8日 – )は日本の英文学者、翻訳家、主として美術、表現芸術の評論家。岩手県生まれ、高知県育ち。東京大学院人文科学研究科修士課程修了。東京都立大学教授、首都大学東京都市教養学部教授を経て、明治大学国際日本学部教授。専門は17、18世紀を中心とする英文学。

とあります。工学部出身の私としては文学というのはどうも、特に近代文学史といジャンルは更に縁遠い存在でした。この本のおかげでグッと身近に感じるようになったのはラッキーでした。

考えて見れば過去の偉人達は科学者でありながら哲学者であったり、音楽、絵画、などの芸術も含めマルチタレント振りを遺憾なく発揮していました。レオナルド・ダ・ビンチなどは最たる人かもしれません、他にはこんな人とかゴットフリート・ライプニッツ – Wikipedia

この本の中に「博物学者」という名称が妙にしっくり来る時代があったのも合点がいきます。この先様々に分科して専門性が高まっていくわけですが・・・。本書のプロローグは「ニュートンと英文学」というところから始まります。コレそのものが「超」なわけですが、その後、「光学」から光、色、ピクチャレスクと展開され、このあたりからグイグイと引き込まれます。当時のマルチタレント達がまさに「ディスクール」し、英文化を作ってきたのだと、またカフェカンヴァーセーションとか、とにかく多方面から斬り込んでくる本書は圧巻です。

もちろん、近代文化史という背骨は一貫してます。しかし、その背骨から脇に出てくる枝骨(fish‐born:問題解決とか発想に使われるアレです)が何とも縦横無尽というか骨太というか歯ごたえがあるので面白いです。

「見る」「分かる」+「売る」からデパートが出来上がるとか!

「枝骨の存在が背骨を背骨として表現している」って感じの本です。

現象学や言語学、あるいは認知心理学、(ひろく言えば哲学)、アフォーダンス等に関して多少の知識があれば、より面白く読める本です。ある程度人生経験が長い(年を食ってるってことです)人の方が感覚的に受け止めやすいかも知れません。大人向けって感じでしょうか?

仕事ではDesignとかVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)あるいはコピーライティングとかメデイア系、マーケッター、コンサルタント等、カタカナ言葉を職業の方は読んでおいたほうが間違いなく為になります。

近代文化史入門 超英文学講義 (講談社学術文庫)

できることなら誰かが、この本に登場し、活躍する人々を 英・伊・仏・日の4つのタイムラインで樹形図(の様なもの)を描いて欲しいです。俯瞰的な図で時間軸を揃えるとモット明確に繋がりが見えそうな気がします。チカラ仕事ですけどw

こちらも参考になるかも 温故知新 「言葉と無意識」

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